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ブログ「約束の地から」。 日々雑感、読書感想など。
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お知らせです
 このところ更新が途絶えていますが、過去記事もかなり充実していますので、布川事件の多くが分かります。どうぞお読みください。

カテゴリー「事件のあらまし」→「殺害方法と手順」→「自白の変遷」→「最終的な自白の関する問題点」の順にお読みになることをオススメします。


- | 07:06 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
カテゴリー「司法」を作りました
お知らせです

真理子の日記ブログにカテゴリー「司法」を作りました。
代用監獄や裁判員制度など、この「突っ込み布川」では扱いきれないようなものを、日記ブログ(約束の地から)のカテゴリー「司法」で扱うことにします。すでに少し書き込んでいますので、お知らせいたします。


その他 | 01:45 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
「いまなぜ、代用監獄か」
なぜ、いま代用監獄か―えん罪から裁判員制度まで
なぜ、いま代用監獄か―えん罪から裁判員制度まで



 久々の更新です。これまで、この「突っ込み布川」で布川事件を書いてきたなかで、代用監獄について私はまるで書いていません。書くタイミングをつかめなかっただけなのですが、このたび「なぜいま、代用監獄か」という本を読んだので、今回は予定を変えて代用監獄について書こうと思います。
 また「突っ込み布川」は、布川事件を書くサイトなので、ここでは布川事件の場合に的を絞ることにし、一般論については、日記ブログにカテゴリー「司法」を作りましたので、そちらで扱うことにします。
 
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 布川事件は、Tさん殺しと桜井さん杉山さんを結びつけるものが自白しかない、証拠のない自白裁判です。カテゴリー「自白の変遷」のところでも書いたように、桜井さんは取手署で、杉山さんは水海道署で取調べを受け、自白に追い込まれます。いずれも警察留置場代用監獄です。
 カテゴリー「自白の変遷」「最終的な自白に関するの問題点」に出てくる検察官調書も代用監獄で作られたのですが、布川事件では実は否認調書も作られています。桜井さん杉山さんは、代用監獄でTさん殺しを自白し、警察での取り調べがほぼ終了した11月に土浦拘置所に移され、否認調書はここでA検事によって作られます。
 ところが、
その後、杉山さんは代用監獄土浦署へ、桜井さんは代用監獄取手署へ逆送されてしまいます。警察官から「検事さんの所でゴネたみたいだな」「なぜ検事に否認したか」と追及され、再び自白に転じ、Y検事によって自白調書が作られます。Y検事は検察官であるのに、わざわざ警察留置場代用監獄に出向いてきたわけです。カテゴリー「自白の変遷」に出てくる検察官調書は、この自白です。
 Y検事によって、最終的な自白調書が出来上がり、二人は12月28日にTさん殺しで起訴されました。勾留質問をした裁判官に対して桜井さんは、Tさん殺しを認めました。なぜならば、裁判所に行く際、取調べを担当した警察官が同行し、勾留質問のときも背後に警察官がいたからです。拘置所でA検事に否認したのを理由に代用監獄に逆送され、「なぜ検事に否認したか」と警察官から責められ、再び自白に転じたのですから、裁判官に対する勾留質問とはいえ、背後に警察官のいるところで否認したら、代用監獄に戻ってからどんな目に遭うか知れたものじゃありません。だから認めたのです。そしてちゃんと起訴され、もう代用監獄に戻る心配がなくなってからは一貫して無実を主張するようになります。



その他 | 10:01 comments(32) | trackbacks(0) |メールはこちら
桜井自白・杉山自白の供述内容の不一致
 今回は最終的な自白の、バー「J」の関係者の供述との不一致について書く予定でいましたが、予定を変更して、最終的な自白の、桜井自白・杉山自白の供述内容の不一致について書くことにします。 
 
 1967(昭和42)年8月30日にTさん殺しの他殺体が発見され、桜井さんが別件逮捕されたのが10月10日です。Tさん殺しを否認していた桜井さんが「杉山と一緒にTさんを殺した」と取手署で自白したのが10月15日です。この自白を元に10月16日に杉山さんが逮捕され、翌17日には杉山さんも水海道署でTさん殺しの自白を始めます。
 カテゴリー「自白の変遷」でも書いたように、二人の自白はとても共犯者とは思えない食い違いがあって、変遷を繰り返した末の最終的な自白(検察官調書)においても、食い違ったままに終わっている点が多々あります。ここで少し具体的に見てみます。

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Tさんの転倒状況・殺害方法に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
八畳間の押入れの前で杉山が「うるせえこのやろう」と言いながら、Tさんの顔か胸のあたりをなぐったら、Tさんはよろよろと後ろにドスンと倒れながら、「何すんだ」と怒鳴って杉山にむしゃぶりつてきた。それを見た瞬間、私はTさんの足をつかんで仰向けにひっくり返し、倒すと同時に杉山がTさんの上に馬乗りになった。
杉山検察官調書
自分がまずTさんの下っ腹を蹴飛ばして、桜井が顔をなぐった。

死体の工作に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
自分はTさんの足を持ち、杉山は体の方を持ったけれども、持ち上がらなかったから布団をかぶせた。
杉山検察官調書
 君と桜井の二人でおやじの体を持ち上げ運ぼうとしたか。
 していません。

桜井の物色行為に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
金を探そうと思って、まず板の間の玄関口のロッカーに行った。大ロッカーが二つあったが、両方とも開かなかったので畳の部屋に戻った。そのとき杉山は押入れの前にかがんで何か探していた。自分は机の引き出しを探し出した。
杉山検察官調書
桜井が部屋の中をガタガタ探し始め、私も探し始めて15分から20分くらいで、私が新聞包みの札入れを見つけ、「早くしろ」と桜井に声を掛けた。

桜井の強取金額に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
逃げる途中の列車内、湖北駅あたりで、杉山から4万円分けてもらったとき、私は自分が盗った金を杉山に見せていない。
杉山検察官調書
逃げる途中、湖北駅あたりの列車の中で、桜井に金を渡す際、桜井が見せたのは2万円だと言ったのは、自分にはそう見えたから。桜井が7千円だと言ってるなら、自分には分からないからそれ以上のことは言えない。


まだまだありますが、ここではこれくらいにしておきます。

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この問題に関する
再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓

 以上のような供述の不一致の理由として、共犯者同士での責任転嫁や、自分以外の共犯者の行動であるため、記憶に残りにくいということが考えられるが、それにしても本件二人の自白には不一致部分があまりに多い。最終的な自白内容にいたるまでには、二人の間で供述の歩み寄りが図られたにもかかわらず(過去記事「自白の変遷」参照)、最終的自白にも不一致が多数残るということは、その自白の信用性に疑問を投げかけるものであり、ひいては、実際には共同で体験していないことを供述しているのではないかとの疑問すら生じかねない。




 今回はここまでです。次回は、自白に対する「客観的な裏付け証拠の不存在」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 06:20 comments(0) | trackbacks(1) |メールはこちら
名張事件 緊急集会
本日、名張毒ぶどう酒事件において、名古屋高裁は、検察側の異議を認め、再審開始を取り消す決定を出しました。奥西勝さんを守る東京の会では、明日、下記要領で緊急集会を開きますので、ご案内いたします。

日時  12月27日(水) 午後6時半〜

場所  平和と労働センター2階ホール

(東京都文京区湯島2-4-4)


お問い合わせ
国民救援会東京都本部内 名張事件東京の会 筺03−5842−6464


続きを読む >>
その他 | 23:32 comments(1) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ぅラス戸工作部分
最終的な自白の、供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の4回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「ぅラス戸工作部分」を見てみます。

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 ここで問題にするのは最終的な自白の次の部分です。
12月13日杉山自白
桜井が泥棒でも入ったように見せかけるため、ガラス戸を外しにかかった。
12月22日杉山自白
倒れたガラス戸の下に扇風機があったことは、検事さんの調べで図面を見せられたときに初めてそこに扇風機があったことに気がついた。それで倒れたガラス戸が割れたのはそのためだったと思い出した。
12月22日桜井自白
自分が八畳間側のガラス戸を外す前、反対側の外側のガラス戸のほうの杉山が、ガラス戸の下の方を蹴った。

再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓
↓八畳間から撮った写真

最終的な自白によれば、ガラス戸を外しにかかったのは、誰かが入ったように見せかけるためとなっているが、ガラス戸を外すことが偽装工作の合理的理由とは言えない。自白調書をくわしく見ると、ガラス戸を外したときのことを細部まで記憶しているほど二人は冷静だったから、なおさらこのような行動に出た不自然さは免れない。
 また自白によれば、桜井は八畳間側からガラス戸を外しにかかっているが、八畳間の押入れの前は左下の検証調書添付写真のようにVの字に落ち込んでいたから、足元は相当不安定なはずなのに、このことについて何も供述がないのは、自分の体験を語っているとは到底思えない不自然なものである。
 さらに杉山自白によれば杉山は、ガラス戸を外すとき扇風機に気付かなかったとしているが、その倒れていた位置や状態から、この扇風機は四畳間側ベニヤ板の上にあったと思われるのに、四畳間側からガラス戸を蹴ったり外したりする際に、この扇風機に気付かなかったというのは、体験供述としては不自然不合理である。
弁護団実験用に再現された被害者宅↓(写真・真理子)


最終的な自白に関する問題点 | 08:27 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 J色行為部分
最終的な自白の、供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の三回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「J色行為部分」を見てみます。

星  星  星  星  星  星  星

 物色行為に関する最終的な自白は下記のとおりです。
12月19日桜井自白
(板の間の玄関口に)大ロッカーが二つあって、どちらも取っ手をつかんで開けようとしましたが開かなかったので元の畳の部屋に戻りました。--中略--
机の引き出しから探し始め、袖の引き出しから開けて次々に見ましたが、ほとんど書類のようなものばかりで、真ん中の横幅の広い引き出しを開けたら茶色の皮のサイフがあって、開けたら何か足元に落ちた気がします。それがバラ銭ではなかったかとぼんやり覚えているのです。
そのサイフの脇あたりに5、6個紐でくくった鍵束を見つけたので、その鍵を持ってまず机の左手の二つ積み重ねた上のロッカーに鍵を一つ差し込んだら開かないので、二つ目の鍵を差し込んだらそれで開きました。中を見たらそこには金がなかったので、今度は下のロッカーを開けてみたら鍵なしですぐ開きました。上のロッカーには鍵は差し込んだまま扉は開けっ放しでした。--後略--
12月13日杉山自白
私は押入れのカーテンを右から左に開けたら中は二段になっていた。私は右側を探し、布団が重ねてあったが、それを引っ張り出さずに上から順にめくっていったら、下から二番目くらいの布団の間から、薄い新聞包みが出てきた。--後略--


再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓


杉山自白によれば杉山は、押入れの布団を引っ張り出さずにめくったなどとしているが、押入れ前の床下は、左の検証調書添付写真のように、頂点が地面近くまでVの字に落ち込んでいたから、その足元は相当不安定であるはずなのに、この点について何ら供述がないのは不自然である。ちなみに最終的な検察官調書ばかりでなく、警察官調書においても同様である。

(↓弁護団実験用に再現された被害者宅)


 また桜井自白によれば桜井は、八畳間に戻り、まず机の引き出しだけを物色し、真ん中の横幅の広い引き出しからサイフと鍵束を見つけ、財布を開けたとき何かを足元に落とし、その後、鍵束を持って上のロッカーを開けたとなっているが、八畳間の机の上には、茶色の二つ折り皮サイフ・包装紙に包んである石鹸・腕時計の空き箱・ルピアン石鹸の空き箱・東京石鹸の空き箱が、この順序に
下から積み重ねてあったから、仮に桜井が一度開けたサイフを机の上に置いたとしても、それだけではこのような状態にならないのに、この点について何の説明もないのは不自然・不合理である。これは、最終的な検察官調書にとどまらず、変遷を繰り返している警察官調書においても同様である。




今回はここまでです。次回は「供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ぅラス戸工作部分」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 03:11 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ∋狢里旅作部分
 供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の二回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「∋狢里旅作部分」を見てみます。

星  星  星  星  星  星  星

死体の工作に関する最終的な自白は下記の通りです。
12月19日桜井自白
自分はTさんの足を持ち、杉山は体の方を持ったけれども、持ち上がらなかったから布団をかぶせた。だからTさんの体を動かしたのは事実だが、体の向きまでは覚えていない。布団を掛けたのは事実だが、毛布を掛けたかどうかは覚えていない。
12月13日杉山自白
桜井が「寝てたようにしておくか」と言い出して、部屋に敷いてあった布団を取りに行って、毛布をTさんのすぐ脇にいた桜井にぶん投げてから、今度は二人で敷布団なんかをTさんの上にかけた。

↓弁護団実験用に再現された被害者宅(写真・真理子)


再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓

 本件自白によれば、桜井さん杉山さんがTさんの死体に布団を掛けるなどをしたのは、就寝中に誰かに襲われたと思わせるための偽装工作ということになっていますが、Tさんはシャツとズボンを着て靴下を履いていたし、ズボンのポケットにはゆであずき缶が入っていました。このような状態のTさんに布団をかけたところで、就寝中を襲われたように見せかける偽装工作になるとは思えないし、しかもTさんにかけられた敷布団は、Tさんの腰のあたりに無造作に置かれていたにすぎないとなれば尚更です。
 ただ変遷を繰り返した末の最終的な検察官調書では就寝中を襲われたように見せかける偽装工作となっているものの、初期の自白では、「Tさんに見られているよう気がしてイヤなので」「死んだ人間の顔を見ながら金を探すのがイヤだから」などを、Tさんに布団をかけた理由にしている部分もありますが、体の左側を下にして横向きに倒れていたTさんの顔を隠していたのは、右肩に背後からかけてあった白い開襟シャツであって、「Tさんに見られているよう気がしてイヤなので」「死んだ人間の顔を見ながら金を探すのがイヤだから」が、死体の工作の理由なら、白いシャツについての供述があってしかるべきであるのに、そうなっていないのは不自然と言うしかありません。
 また体にかけられた敷布団以外にも、Tさんの死体の周辺には、白いシャツやお菓子の入った缶や缶の蓋や蚊帳などがあるのに、敷布団以外について一切の供述がないのは不自然・不合理である。


今回はここまでです。次回は「供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 J色行為」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 03:24 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 “畳間の床板の状態に関する説明部分
 昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分


今回は「“畳間の床板の状態に関する説明部分」を見てみます。

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“畳間の床板の状態に関する説明部分

八畳間の床落ちに関する最終的な自白は下記の通りです。
12月19日桜井自白
警察の調書では、Tさんの体の下の床が落ちていたのに気づいていたのが書いてありますが、それはそのことを聞かれて、あの時首を絞めながら自分の体が少し前に下がったような気がしたのを思い出したのです。
12月13日杉山自白
頭に来てしまった私はぶっ飛ばしてやろうと思い、いきなり右足でおやじの下っ腹めがけて一回蹴飛ばしたらあたっておやじがかがみ込み下向きになったところを、今度は昌司が横っ面をげんこで往復ビンタを喰わしたので--中略--それでおやじは倒れてしまい--中略--騒ぎ出したから--中略--腹の上に馬乗りになった私とは別に、昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえましたから、私は--中略--下着のようなものがあったのでそれをつかんでおやじの口の中へ押し込みました。--中略--(偽装工作で)今度は二人で敷布団なんかをおやじの上にかけました。そのとき私はおやじが死んでいる下の畳の頭の方が床が抜けてずり落ちているのに気付きました。それで私は、はじめに馬乗りになって昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえつけた頃、畳の下でバリンと音がしたから畳の裏板でも抜けたのかと思ったのを覚えています。
再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓



 Tさんの死体の下の八畳間押入れ前の床下は、左の検証調書添付写真のように、頂点が地面近くまでVの字に落ち込んでいました。どうしてこのような状態になったのか、真相を断定することは出来ませんが、「私は、はじめに馬乗りになって昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえつけた頃、畳の下でバリンと音がしたから畳の裏板でも抜けたのかと思ったのを覚えています」という杉山自白のとおりならば、Tさんを転倒させた桜井も杉山も床落ちを体験しているはずであり、またその後、足をしばったり物色したり、床落ちした周辺を動き回っているのに、死体の工作で布団をかけるときまで床落ちに気付かなかったということ、上記自白の程度にしか床落ちについて供述がないのは不自然不合理である。

弁護団実験用に再現された被害者宅(写真・真理子)


最終的な自白に関する問題点 | 23:05 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
やはり絞殺? 佐藤証人
 昨日(2006・12・12・)、東京高裁で杏林大学法医学教室の佐藤教授に対する証人尋問(非公開)があったので、報告集会に行ってきました。
 佐藤教授はもともと弁護側の証人です。布川事件では、Tさん殺しの殺害方法が、扼殺なのか絞殺なのかが争点の一つになっていて、鑑定でモメていることなど、これまでにもくわしく書いてきました。
 
ここでおさらいしてみると、Tさんの死体が発見された当日、執刀解剖した秦鑑定人は絞殺。自白では扼殺。この自白を真実と認めて、確定判決は扼殺。この自白を虚偽として弁護側は木村鑑定を添えて絞殺で再審請求。これに検察側も三澤鑑定を添えて扼殺で反論。木村鑑定に軍配を上げて水戸地裁土浦支部は絞殺で再審開始決定
 これに検察が即時抗告で反論。これに弁護側が意見書で反論してきたのですが、さらに弁護側は新証拠として裁判所に佐藤意見書というのを提出しました。この佐藤教授は、再審請求に当たってご尽力くださった木村証人が高齢のため、これ以上ご協力いただくことが出来ないので、新たに弁護側の証人となられた方です。この佐藤教授への証人尋問が昨日行なわれたのです。

結論

やっぱり絞殺です!


 検察側扼殺の三澤証人は、Tさんの死体に扼痕がないことにつて、腐敗が進んで扼痕があっても判別できなかった可能性などをあげていますが、頸部(首)はパンツで強く圧迫されていて、外気に触れていなかったので、判別できないほどには腐敗は進んでいなかった。絞痕はあるが、扼痕はない。



本件の争点・殺害方法については、過去記事にくわしく書きましたので、そちらをお読みください。




殺害方法と手順 | 01:28 comments(1) | trackbacks(0) |メールはこちら