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ブログ「約束の地から」。 日々雑感、読書感想など。
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<殺害方法と手順>のページ まえがき
 確定判決は、「検証調書、実況見分調書、鑑定書によって認められる現場の客観的状況、死体の状況に一致」しているから、桜井さん杉山さんの自白は、真犯人でなければとうてい語り得ない真実なものと判断し、二人に有罪判決を出しました。
 一方、昨年(06)年9月に水戸地裁土浦支部は、二人の自白は客観的状況に一致していないと、再審開始の決定を出しました。これに対し検察は即時抗告して反論し、この反論に対し弁護側が意見書において反論しています。
 現場に残された客観的状況と二人の自白は一致しているんでしょうか、していないんでしょうか。このページでは、殺害方法と手順の部分に的を絞って見ていきます。
 
 


殺害方法と手順 | 08:32 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
絞殺とは? 扼殺とは? 
 

 Tさん殺しの方法が、絞殺なのか扼殺なのかが本件の争点の一つになっていています。
 自白では扼殺nextこの自白を真実と認めて、確定判決も扼殺。弁護側は絞殺nextこの主張を認めて、06年9月水戸地裁土浦支部は絞殺。これに検察が反論しています。


殺害方法と手順 | 06:12 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
秦(はた)医師が現場に着いたとき
 
 Tさん宅の庭先
被害者宅

 Tさんが死体で発見されたのは、昭和42(1967)年8月30日の朝7時5分頃のことで、現場検証は同30日の午前10時50分から翌31日の午後4時30分まで行なわれました。
 死体解剖は、30日の午後3時30分から午後5時1分までの1時間31分間、Tさん宅の庭先において、秦外科病院院長・秦資宣氏によって行なわれました。秦氏が解剖のために現場に着いたとき、Tさんの死体はTさん宅の庭先に、木製の台の上に安置されていました。死体の状況を秦医師は次のように書いています。
  余が解剖執刀にあたる前本屍の体位は、腐敗膨大しあたかも巨人様観を呈し、右上肢は肘関節部位に於て約60.0度に曲屈挙上し、左上肢は略々肩峰と水平に挙上、左右の手指は5指共に軽く握拳状を呈し、あたかも弓引状を呈す。口腔は、布様物を口腔内より口腔外にはみだし、頸部に於ては、前頸部に環状の布様物を有し、左右下肢足関節直上部に於て結節を上部になしたる緊縛せる布様物の存在を認め、右下肢は略々水平に伸し、左下肢に於て約45.0度曲屈し、緊縛部に於て左右下肢を接合せり。

秦鑑定書より)

 要するに、
仝には布が詰め込まれ、その布は口の外にはみだしていた。
⊆鵑砲鷲曚巻かれていた。
N沼は関節のところで布でしばられていた。
 



殺害方法と手順 | 02:20 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
死体の状況……検証調書では?
 解剖のため、秦医師が現場に着いたときには、Tさんの死体は庭先の木製の台の上に安置されていました。秦医師は執刀解剖する前、Tさんの死体をパッと見たときの様子を、このように記録しています。
 では警察は、庭先に運ぶ前の、屋内の死体の状況をどのように記録しているのでしょうか。検証調書添付図面に若干説明を加えてみます。

 屋内の死体の状況

Tさんの死体は、
‘部を北東方に、足をの字に曲げて、左側を下にして、身体を東南方に横に向けていた。
八畳間の衣類の散乱した様子や、四畳間側へ倒れたガラス戸の様子から、Tさんは相当抵抗したと思われる。
左肩および腰部は着衣が赤褐色に濡れていた。
ど綰圓里燭瓠∩歓繁痛し、皮膚は濃い青銅色。
ジには血のついた木綿のパンツが半分くらい押し込んであった。
首には白い木綿のパンツが巻いてあった。死因は窒息死と思われる。
足首には、黒い斑点のついている白いワイシャツが一巻き巻かれていて、こま結びに結んであり、その下に長さ1.05辰離織ルが二巻きに巻かれ、一重こま結びに結んであった。
┫蕕硫爾砲老譴里茲Δ壁嫦緤で一面赤褐色色に濡れている四つ折朝日新聞夕刊があった。
朝日新聞の下から赤褐色に濡れたウチワが三分の一くらい出ていた。
顔面の下の新聞紙の下のウスベリ((真理子注:畳の形をした薄い敷物)は、東西49臓南北33造梁扮澤舛坊貂が付着していた。


(くわしくは下記を参照。さらにくわしくは、検証調書参照のこと。↓)

検証調書から抜粋

(3) 被 害 の 模 様

(1) 死体の模様

(イ) 8畳間の東南隅で、押入のほぼ中央前方の巾広のV字形に落ち窪んだ畳の上に、被害者の玉村象天が木綿の半袖シャツ、カーキー色ズボン、緑色地に濃い黄色の縞模様靴下をはいて、頭部を北東方に足を逆くの字形に曲げて西南方に向け、左側を下にして、体を東南方に横に向けて死亡していて、写真53、54、55号に示したとおり、右腰の上にチョコレート色地に黄色の格子模様敷布団の一端を折り曲げ、三角形の頂点が背部になるような形で無雑作に載せてあり、右肩の上には背部から白開襟シャツがかけてある。
----中略----

 8畳間の衣類等の散乱の状況および4畳間へ倒れたガラス戸の状況等から、被害者玉村象天は相当抵抗したものと思料される。
 死者の頭部は、押入に向って左側柱から69cmの位置に顔面を東南方に向けていて、押入の敷居から頭の上部までは22cmで、写真61、62号に示したとおり、右肘は曲げて顔の下に向けていて、肘から押入の敷居までは17cmで、押入の右側柱までは68cmである。さらに8畳間の南側中央の柱から上になっている右踵までは51cmで、下になっている左踵までは58cmである。

 4畳間の境の敷居から右足の爪先までは9.5cmで、さらに左膝から敷居までの距離は39cmである。( 別添写真64、65号参照 )

(ロ) 死者の身長は1.54m位で、頭髪は伸ばしており、写真97号に示したとおり、左肩および腰部は着衣が赤褐色に濡れていて、腐敗のため全身膨満し、皮膚は濃い青銅色を呈し、口には血痕で赤褐色に濡れている木綿パンツが半分位押込んであり、前頸部には白木綿パンツが巻いてあって、右側は耳の下に達していて、死因は窒息死と思料される。((別添写真98号参照 )
----中略----
 
 足首には、写真100、101号に示したとおり、黒い斑点のついている白ワイシャツを1巻き巻いて、こま結びに結んであり、その下に長さ1.05mのタオルを2巻き巻いて、一重結びに結んである。
----中略----

(ニ) 死体を取り除くと、写真81号に示したとおり、顔面の下には、畳の東端から6cmのところに8月28日付朝日新聞の夕刊が四つ折りにして置いてあったが、血痕ようの附着物で一面に赤褐色に濡れていて、その西南方に赤褐色に濡れたウチワが3分の1位新聞紙の下から出ていた。
 濡れた新聞紙の西南方13cmのところに、長方形に折った紙片2枚、その西方に緑色の縞模様靴下1足が放置してあり、北東方32cmの床下に四つ折にした8月28日付朝日新聞の朝刊が落ちていて、その上に畳の間から出たと思われるゴミが落ちていた。

 顔面の位置の血痕で濡れた新聞紙を取除くと、ウスベリの上は、東西49cm、南北33cm位の不正形な楕円形に血痕が附着して濡れていた。

ウスベリの下には、一面にゴミのついた畳が敷いてあって、死体のあった位置の床は落ちて、畳は巾広のV字形に落ち窪んでいて、押入の敷居から頂点までの距離は42cmで、押入に向って左側で、東西に3本入っている黒い縫継線の真中の線は、写真56号に示したとおり、押入の左側柱際から西方へ43cm位破けており、向って右側は写真82号に示したとおり、押入の右側柱から畳は14cm離れていた。
----後略----

検証調書より)



殺害方法と手順 | 17:37 comments(0) | trackbacks(9) |メールはこちら
ワイシャツの黒い斑点
 Tさんの死体の両足は、足首のところで布でしばられていました。その布について、
◎秦鑑定書には、タオル状の物で二重にしばり、さらにその上を白いワイシャツで一重にしばってあったと書いてあります。
秦鑑定書より)
 8. 左右下肢は左大腿前面に於て青銅色をまじえたる暗赤色、右大腿上部内面暗赤色、脛骨前面淡青銅色を呈する他一般に蒼白色を呈し、左右下肢足関節直上部に於て左右下肢を緊縛せる布様物を認む。同緊縛はタオル状の物にて二重に緊縛し、外踝部前面上部にて1回の結節をなし、更に同緊縛上部を白色布様物(白色ワイシャツ)にて前記緊縛を補強状に一重に緊縛し、前記緊縛結節と略々同一ヶ所に於て2回の結節をなす。その緊縛の度合は強度にして両下肢の屈伸のみにて緊縛を排除することは至難なり。  
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◎検証調書の証拠資料のところにも、足首をしばった物を「白いワイシャツ1枚、タオル1枚」と書いてあります。

検証調書より)
4.証 拠 資 料

(1) 物  件

(1) 次の物件は、
----中略----
 
 足首を縛ったもの

(8) 白ワイシャツ             1枚
9)タオル                1枚
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ところが、同じ検証調書の死体の模様のところには、「足首には写真100、101号に示したとおり黒い斑点のついている白いワイシャツと1.05メートルのタオルが巻いてある」と書いてあるのです!!

検証調書より)
(3) 被 害 の 模 様

(1) 死体の模様
----中略----

足首には、写真100、101号に示したとおり、黒い斑点のついている白ワイシャツを1巻き巻いて、こま結びに結んであり、その下に長さ1.05mのタオルを2巻き巻いて、一重結びに結んである。
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黒い斑点は何か?  

 真理子は写真を見ていないのでなんとも言えませんが、足をしばった白いワイシャツの黒い斑点は何なんでしょう。白地に水玉のワイシャツだったんでしょうか。血痕ってことはありませんかね。とにかく、写真が見てみたいです。







殺害方法と手順 | 01:18 comments(0) | trackbacks(9) |メールはこちら
扼殺? 絞殺?……秦鑑定では?
 血のついたパンツが口の中に半分くらい押し込まれ、結び目はないものの、首にはパンツが巻かれた状態でTさんの死体は発見されました。
 死体を解剖した秦医師の秦鑑定は、Tさんの死体には、出血を伴うような外傷はなく、Tさんの死因を、口に詰め込まれたパンツによる窒息死か、首に巻かれたパンツによる窒息死としています。
 もう少しくわしく、秦鑑定を見てみましょう。

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口の様子 
 口の中に子供の握りこぶしくらいの大きさのパンツが硬く入っていて、その残りは口からはみ出していた。このパンツは口の中全体に強圧挿入され、舌尖(ぜっせん=舌の先)は挿入されたパンツの後ろに位置していた。(確認↓)
秦鑑定書より)
 口は圧迫状に硬損、略々小児手拳大の布様物(布製パンツ様物体)を口腔内に硬く挿入し、その残余の一部は口腔外にはみだす。本物体の挿入は口腔内全体に強圧挿入されたものにして、上下口唇粘膜は暗紫色を呈し、舌尖は挿入されたる布様物後方に位し、舌は腐敗膨隆暗赤色を呈す。上下の歯列は前記布様物を上下の歯列にて咬み、歯牙に於ては左下顎第一大臼歯の欠損を認める他欠損なく、口腔内に於ては前記布様物の他異物なく、口腔内粘膜は全体に暗赤色を呈す。

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首の様子
 首には結び目はないものの、頂部より左前頚部にかけて、相当強い力でパンツが巻かれていた。
 パンツを取り除くと左前頚部に、前頚部に、頭部から約5cmのところに横に走る表皮剥脱創がある。 ∩扱柯瑤,僚より約3cm左側に、平行に走る前頚部から頂部に向かう3本の表皮剥奪創がある。その長さは下から約2cm、約2.5cm、約2.8cm。 右胸鎖乳突筋下に出血があった。(確認↓)


(秦鑑定書より)
4. 頸部は一般に青銅色を呈し、頂部より左前頸部にかけ圧迫状にほぼ環状なせる布様物(白色布製パンツ様物体)を認むるも結節並びに結節点を認めず、その圧迫の度合は相当強度なり。布様物を除去するに左前頸部に於て後記創傷を存す。(説明第1項参照)

----中略----

説     明
----中略----

(2) 前頸部に於て頭部より約5.0cm の処に横に走る表皮剥脱創を存す。

(3) 前頸部、前記同創より約3.0cm 左側頸部に略々平行に走る前頸部より頂部に向う処の3本の表皮剥脱創を存し、その長さは、同創下方より約2.0cm 、約2.5cm 、約2.8cm をそれぞれ算す。

(4) 頸部内景に於て右乳様筋下に出血を認め、気管内粘膜に暗赤色粘稠液(ねんちゅうえき)の附着並びに粘膜の充血性を認む。

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死因について

 絞頸(=首絞め)を思わせる傷(前頚部における横に走る表皮剥脱創。平行に走る3本の表皮剥脱創。右胸鎖乳突筋下の出血)も、口の中に強力に圧迫挿入されたパンツも、どちらか一つだけで窒息死にいたれるものだが、どちらか一つとあえて言うならば、口の中に圧迫挿入されたパンツに気管閉鎖された窒息死と推定。(↓確認)
(秦鑑定書より)
3. 死因について

 本屍頸部に於ける絞頸を思考させる創傷(第1項(2)〜(4))並びに本屍口腔内に圧迫挿入されたる処の布様物はそのいずれか1つをもってしても死因たる窒息死を惹起せしめられうる死因創であるが、いずれか1つを重たる死因とするかをあえて極言するならば、本屍の口腔内に圧迫挿入されたる処の異物により惹起せしめられたる処の気管閉鎖による窒息死と推定さる。


殺害方法と手順 | 05:55 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
扼殺? 絞殺?……確定判決では?
 前回は、死体を解剖した秦医師の秦鑑定が、Tさんの死体には、出血を伴うような外傷はなく、Tさんの死因を、口に詰め込まれたパンツによる窒息死か、首に巻かれたパンツによる絞殺としていることを書き、秦鑑定を少しくわしく見てみました

 ところが確定判決は、絞殺ではなく、手による扼殺であると事実認定しています。(確認↓)
確定判決時事認定要旨より)
同人方8畳間において、両名がTを仰向けに押し倒し、杉山がその上に馬乗りになり、桜井が同所にあったタオル及びワイシャツでTの両足を緊縛し、両名がTの口の中に同所にあった布を押し込み、桜井が玉村の頸部に同所にあった布を巻きつけてその上から両手で喉を強く押して扼し、よって、即時同所において同人を気管閉鎖による窒息死に至らしめてこれを殺害

 Tさんを執刀解剖した秦医師が鑑定書に絞殺と書いているのに、どうして裁判所は、扼殺と判決文に書いたのでしょうか。それは、桜井さん杉山さんが手で扼して殺したと自白し、この自白を真実を語った信用できるものと認めたからです。
 桜井さん杉山さんの自白は、食い違いや変遷が多く、ここで書くには量が多すぎるので、別に項目を立てて書きます。


殺害方法と手順 | 00:49 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
扼殺と絞殺の死体所見(一般論)
 Tさんの死体を解剖執刀した秦医師の秦鑑定は絞殺自白では扼殺。この自白を真実と認めて、確定判決は扼殺。この自白を虚偽として弁護側は木村鑑定を添えて絞殺で再審請求。これに検察側も三澤鑑定を添えて扼殺で反論木村鑑定に軍配を上げて水戸地裁土浦支部は絞殺で再審開始決定。これに検察が即時抗告で反論。これに弁護側が意見書で反論。
 と、まあ、扼殺か絞殺かをめぐって、秦鑑定・木村鑑定・三澤鑑定、これまでに三つの鑑定書が出てきています。一体、何をモメているのか、争点は何なのかを突っ込んで見る前に、扼殺と絞殺の一般的な死体所見をザッと見てみます。これは一般論です。

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扼殺の場合

★外部所見
・扼痕……前頚部につけられる加害者の爪痕。被害者が加害者の手をはずそうとしてつくこともある。強圧部に加害者の指頭大の皮下出血がある。 これらは圧迫しなおすことによって、形状や大きさが不定になることもある。
・顔面うっ血……扼殺後、手を離すので、うっ血はあまり残らない。

★内部所見
・扼痕直下に皮下、皮内、筋肉内出血がある。
・舌骨、甲状軟骨の骨折を伴うことがある。

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絞殺の場合

★外部所見
・索溝、索痕……表皮剥脱。ほぼ水平、深さ一様 (頭髪、衣類が巻き込むところは浅い)。タオルのように幅広く柔らかいものが使われて、死後すぐにはずされたような場合、何の痕跡も残らないことがあるので、わずかな表皮剥脱や皮内出血点を探す。上下縁に皮下出血。時間とともに革皮様化して暗赤褐色調。
・顔面うっ血・溢血点……著明。

★内部所見
・索溝直下の皮下・筋肉内出血。舌骨大角・甲状軟骨上角骨折はまれ 。

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参考図書:「エッセンシャル法医学」
参考サイト:「法医学講座 講義ノート」



殺害方法と手順 | 03:35 comments(0) | trackbacks(3) |メールはこちら
やっぱり絞殺……水戸地裁土浦支部再審開始決定書
 昨年(2006年)9月21日に再審開始を決定した水戸地裁土浦支部は、扼殺絞殺問題で絞殺」と結論付けています。
 再審請求審では、弁護側は木村鑑定(絞殺)添えて再審請求し、検察は三澤鑑定(扼殺)を添えて反論してきたのですが、水戸地裁土浦支部は、三澤鑑定を退け、ほぼ全面的に木村鑑定を採用し、絞殺と認定しています。
 そもそも秦鑑定に「絞頸を思考させる創傷」と書いてあるのだから、「扼殺したという桜井さん杉山さんの自白は信用できない。よって無罪」と言えばいいものを、
 犯行現場の状況、犯行態様、殺害状況、殺害後の犯跡隠蔽の状況に関する被告人両名の自白内容は、検証調書、実況見分調書、鑑定書によって認められる現場の客観的状況、死体の状況に一致しており、それらの間に矛盾がない。
 なんて裁判所(確定判決最高裁)が妙なことを言うから、話がややこしくなる。
 で、Tさんの死体は、秦鑑定人(故人)によって解剖されたあと荼毘に付されたので、木村鑑定も三澤鑑定も秦鑑定の再鑑定、つまり、秦鑑定をどう読むか、どう解釈するかを述べているのですが、三澤鑑定人は「扼殺」の検察側証人です。秦鑑定が「絞殺」としているのに、どうして三澤鑑定人は「扼殺」としているのか。意見書を読んでみます。

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三澤鑑定は、

秦鑑定に扼痕(加害者の爪の痕。その直下の内出血。舌骨、甲状軟骨の骨折など)の記載がないことについて、「もし仮に扼痕があったとしても、死後の腐敗のため、確認されないということはあり得る。」
右胸鎖乳突筋下出血と前頸部左側に表皮剥脱があって、甲状軟骨・気管軟骨の骨折がないことについて、「(比較的弾力性のある)腕などによる扼頸の死体所見としては一応理解できるものであり、扼頸がなかったと完全に否定することは出来ないと考える。ただし本意見書作成者自身は本屍に対して扼頸が実際にあったか否かについて知る由もない

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 要するに三澤鑑定は、扼頸があったともなかったとも、意見らしい意見を言っていないんですよ。また扼痕がないことについては、死後の腐敗のため確認できなかっただとか、腕など柔らかいところで扼せばだとか、仮定の話ばかりしています。

,砲弔い
 しかし秦鑑定は「パンツを取り除くと左前頚部に、〜扱柯瑤法頭部から約5cmのところに横に走る表皮剥脱創がある。 ∩扱柯瑤劉,僚より約3cm左側に、平行に走る前頚部から頂部に向かう3本の表皮剥脱創がある。その長さは下から約2cm、約2.5cm、約2.8cm 1Χ産親突筋下に出血があった。」と、腐敗が進んでいても索痕・絞痕を確認でき、ちゃんと書いているのだから、扼痕があれば、それも確認でき、ちゃんと書くはずで、それが確認できないほど腐敗は進んでいなかった。それが書いてないということは、扼痕はなかったんですよ。(「扼殺? 絞殺?……秦鑑定では?」 参照)

△砲弔い
 自白では腕で扼したとなっていないのだから、△痢屐僻羈單弾力性のある)腕などによる扼頸の死体所見としては一応理解できる」は、もう論外ですね。自白調書をもう一度読んでみましょう。
(11月3日桜井自白より)
 私が、パンツを首の右側のところに当てて左手ではじを持って先へ回して首のところを縛ばんべと思ったら短くて首が回らないので、パンツはその儘にして両手の掌を胸の上のあたり首のところに押しあてて体が前こごみになって畳の床板が抜けているんで体が首の上にまるきり前こごみになっていたような状態でTさんの首を締めつけたのです
----中略----
 そのうちにTさんは動かなくなって死んでしまいました。

左の写真のように床がVの字に落ちているところで、両手の掌を首のところに押し当てて、体重をかけて息の根が止まるまで首を締めたという自白内容で、加害者の爪の痕、その直下の内出血、舌骨・甲状軟骨の骨折などの扼痕が何もないなんて考えられます?


 裁判所が三澤鑑定を退けるのは当然でしょう。


殺害方法と手順 | 02:33 comments(2) | trackbacks(0) |メールはこちら
口と首、どっちが先? ー白では
 両名がTを仰向けに押し倒し、杉山がその上に馬乗りになり、桜井が同所にあったタオル及びワイシャツでTの両足を緊縛し、両名がTの口の中に同所にあった布を押し込み、桜井が玉村の頸部に同所にあった布を巻きつけてその上から両手で喉を強く押して扼し、よって、即時同所において同人を気管閉鎖による窒息死に至らしめてこれを殺害し……。

確定判決事実認定要旨より)


 上記確定判決が認定した事実の殺害方法と手順の部分に、モメているところがいくつかあります。一つは絞殺か扼殺かという問題で、これまでに書いてきたことです。
 もう一つは口の中に布を詰め込んだのと、首を締めたのとどちらが先かという問題です。
 Tさんの死体を解剖執刀した秦鑑定には、口の中に詰め込まれた布は、かなり強力に押し込まれ、舌尖(ぜっせん=舌の先)が布の後ろに位置していたと書いてあるものの、口の中や周辺の傷について何も書いてありません。抵抗力のある成人男子の口の中に、小さな傷一つつけずに布を押し込むのは不可能だから、口の中に布を詰め込んだのは、Tさんが抵抗力を失ってから。つまり死後か仮死状態ではないか。だとすると、口の中に布を詰めてから首を締めたと認定した確定判決と、そのよりどころとなった桜井さん杉山さんの自白は、客観的事実と異なるから、二人は犯人ではないというのが、弁護側(木村鑑定)の主張です。もちろん検察(三澤鑑定)も反論しています。それぞれの言い分と鑑定書の中味を見ようと思うのですが、その前に、ここでは自白を見てみます。

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自白では、口→足→首の順になっています。(確認↓)
10月24日杉山自白より

 そのときTさんはかけていためがねがどっちの方かへ吹っとんでしまってよろけるように頭を道路とは反対方向にして顔が表の方へ横向きになって倒れてしまいました。
----中略----
「助けてくろよう」とどなったので私はこのままだと近所へ聞こえて見つかってしまう、そうしたら大変なことになっちまう、と思ってTさんの体の上にまたがってあお向けにして私の両足でTさんの両方の腕まではさむようにして押さえてしまったのです。
----中略----
 そのとき私は右前の畳の上で手が届くあたりに白いきれのパンツみたいなのがあるのに気がついたから私は右の手でそれを拾ってまるめ、左の手でTさんのあごの面側からひくようにして口をあかせ、まるめたパンツみたいなのを押しこんで声が出ないようにしたのです、そしたらTさんは死にもの狂いになって両方の足をばたばたさせてあばれたから私が昌司に、足しばっちゃい、と云ってTさんの腕が、押さえている私の両足からはずれないようにして私の体の向きをTさんの足の方に変えて両手でTさんの足を持って押えたのです。そうしたら昌司は立ち上がってTさんの足の方へまわり
----中略----
 足首をしばり終わってもTさんは体をふり動かすようにして抵抗するので私は、自分の体の向きを変えてTさんの下腹あたりへおっかぶさるようにして両方の手でTさんの腕を押えつけ、「早くしろ、」と云ったら昌司が私の左脇へ来てTさんの右の脇腹あたりを足で蹴っとばしたあとTさんの胸のあたりにまたがってのっかり首をしめたようでありました。そのとき昌司は私をうしろにしていたからどんなふうにしてTさんの首をしめたのかわかりませんでしたが間もなく、抵抗していたTさんの体がぐんなりして抵抗が全然なくなってしまったので
----後略----
12月13日杉山自白

 それで腹の上に馬乗りになった私とは別に、昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえましたから、私は
  おやじうるせえ。
と言いながら、丁度右の脇の方にあった白っぽい下着のようなものがあったのでそれをつかんで親父の口の中へ押し込みました。私と昌司の二人であごを抑えつけるようにして二人で口を開け、布を押し込んだのは私です。騒がれては人に気づかれてしまうからこうしました
----中略----
おやじは縛られたままの足を上下にばたつかせるので
----中略----
 そうしたらものの五分経つかたたないうちに、もがいていたおやじの体の力が急に抜けたので私は顔を上げたら、昌司はまだおやじの喉を上から押えつけていました。おやじの首に白っぽい布を巻いて両手で上から押えつけていたのです。



殺害方法と手順 | 16:29 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら