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桜井の八畳間物色行為の客観的事実との不一致
 これからしばらく、変遷を繰り返した末の最終的な自白(検察官調書)に関する問題点を扱っていきます。
 今回は、「自白の客観的事実との不一致」を扱います。そもそもこの事件、自白しか証拠がないから、どのような切り口で書いても客観的事実と不一致してしまうのですが、そういう突っ込みは止めにして、今回は、自白の客観的事実との不一致の、桜井の八畳間物色行為について書きます。
 
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検証調書添付被害者宅見取図
↑クリックで大きな図面が出ます。

 過去記事、カテゴリー「自白の変遷」でも書いたように、二人の自白は変遷著しく、「何を、どう」したのかつかむのも難しいのですが、最終的には検察官調書において桜井さんは、八畳間物色行為について、
自分は机の引き出しを探し出した。真ん中の横幅の広い引き出しに茶色の皮の財布があって、開けたら何かが足元に落ちた。ばら銭だったとぼんやり覚えている。机の左の二つに積み重ねたロッカーの、上のロッカーには金はなかった。下のロッカーの書類の間に、千円札ばかりがむき出しで何枚かあった。数えもしないでズボンのポケットに入れた。
という内容の自白をしています。
 ここで見ていただきたいのが、Tさんの死体が発見された当日に撮られた下の二枚の検証調書添付写真です。

 
 
 写真を見れば分かるように、ロッカーの扉は閉まっていて、布団が扉にくっついていて、布団の上に封書が数枚落ちていて、そのうち一枚は扉に寄りかかるようになっています。これが客観的事実です。
 この事実に照らすと、ロッカーの扉の前の布団を動かさずに扉を開けることは困難だし、仮に布団を動かさずに開けたとしても、扉が開くのに伴って布団も動くはず。また一度開けた扉を閉めたとき、布団を人為的に動かさなければ、写真のような状態にはならないのに、桜井自白のどこを読んでも、このことについての供述がない。
 むしろ上記事実に照らすと、真犯人は、下のロッカーを物色した後に扉を閉めて布団をその前に置き、それから上のロッカーや机の引き出しを物色し、封書やバラ銭を布団の上に落としたと考える方が自然と言え、桜井自白のこの部分は、客観的事実と矛盾する可能性が極めて高い。


最終的な自白に関する問題点 | 08:55 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
「ガラス戸工作」の客観的事実との不一致
今回は、桜井さん杉山さんの自白の「ガラス戸工作」の部分に的を絞って、客観的事実との不一致の様子を見ます。「自白の変遷 す作行為」のところでもくわしく書いたとおり、桜井さん杉山さんの自白はガラス戸工作についても変遷が多いのですが、最終的には検察官調書において次のような内容の自白をしています。
12月22日桜井自白
ガラス戸を外すとき、足元の布団が邪魔だったのを覚えているから、八畳間の内側のガラス戸を外した。外側のガラス戸はまだ外れていなかった。自分が八畳間側のガラス戸を外す前、反対側の外側のガラス戸のほうの杉山が、ガラス戸の下の方を蹴った。大きな音がしたのでガラスが割れたように思うが、ガラスが割れて落ちたかどうかハッキリしない。自分が外した内側のガラス戸は、柱か何かに寄りかけて横に立てかけたが、何かにぶつけたかどうかハッキリしない。そのあと便所に入って便所の戸を閉めて窓の桟を外しているとき、ガラス戸の方で大きな音がしたから、便所の戸を開けてのぞいたら、杉山がこっちに来るところだったので、「どうしたんだ」と聞いたが返事がなかったので、「裏に靴を回してくれ」と頼んで戸を閉め、二本目の桟を外しにかかった。

12月22日杉山自白
桜井は八畳間側にいて、私は四畳間側のガラス戸が寄せてあった押入れの柱の方にいて、二枚重なったガラス戸を両方から一枚ずつ外しにかかった。私が外そうとしても外れないので足で蹴飛ばしたら、上のガラスが二枚割れて落ちた。ガラスを割ってしまった頃、反対側(八畳間側)の桜井が先にガラス戸を外して、桜井は四畳間にそれを持ち込んで、横にして立てかけていた。そのあと桜井はそこを離れた。私のほうはまだ外れていなかった。ガラス戸が外れたとき手が離れて、その拍子にそのガラス戸は手前側(四畳間側)に倒れ、大きな音がした。倒れたガラス戸の下に扇風機があったことは、検事さんの調べで図面を見せられたときに初めてそこに扇風機があったことに気がついた。それで倒れたガラス戸が割れたのはそのためだったと思い出した。だからガラスが割れたのは、蹴ったときと倒して扇風機に当たったときの2回。
 以上が、変遷を繰り返した挙句の、最終的な自白内容です。

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上記自白の客観的事実との不一致
 
検証調書添付被害者宅見取図←大きな図面が出ます。


 まずここで、Tさんの死体が発見された当日、現場に駆けつけた捜査官が、ガラス戸の状況について提出した意見書を見てみましょう。


検証調書、11月30日付け捜査報告書によるガラス戸の状況
↓  ↓  ↓

〇余間のガラス戸の状況は、下の検証調書添付写真の通りで、左は八畳間側から撮ったもの。右は勝手口付近から撮ったものです。


東側ガラス戸の破損状況。

東側ガラス戸は、四畳間の扇風機の上に倒れていて、´↓のガラスが割れていました。そのうち上段二枚の´△離ラスの破片は四畳間のベニヤ板の上にあり、上から三段目ののガラスの破片は扇風機付近にあったので、のガラスが、ガラス戸が倒れたときに扇風機に当たって割れたことは容易に想像できます。が、上段二枚のガラス´△、ガラス戸が倒れたときに割れたのなら、その破片はベニヤ板の上にではなく、もっと玄関寄りのミシンの横あたりに散乱しているはずです。それがベニヤ板の上にあったということは、ガラス戸が倒れる以前に、八畳間側からの何らかの圧力によって割れ、四畳間側のベニヤ板の上=ほぼ真下に落ちたと思われます。(カラー写真は、弁護団実験用に再現された被害者宅です。)
 


また東側ガラス戸の、西側横框(かまち)にはめ込んだ上框のホゾは、付け根のところから折れ、八畳間側西側上框は、下のほうが幅2.3臓厚さ0.7臓長さ8.3センチの三角形に割れていました。


西側ガラス戸の破損状況。
西側ガラス戸のい稜吠劼蓮釜の中やその周辺に落ちたと思われる。

ぅラス戸のはめ込み状況。

ガラス戸のはめ込み状況は左の写真の通りです。この写真は弁護団実験用に再現された被害者宅の八畳間から撮ったもので、八畳間と四畳間の境の二枚のガラス戸の、東側(写真左側)ガラス戸は四畳間側にはめこまれ、西側(写真右側)ガラス戸は八畳間側にはめ込まれていたと思われた。


 以上が、検証調書、11月30日付け捜査報告書によるガラス戸の状況なのですが、弁護側は、桜井さん杉山さんの自白通りに行動して、果たして上記報告書のような客観的事実が得られるのかどうか、ガラス戸問題について3回実験しています。特に東側ガラス戸の破損状況の「ガラス戸が倒れる以前に、八畳間側からの何らかの圧力によって割れ、四畳間側のベニヤ板の上=ほぼ真下に落ちたと思われます」の部分に注目しました。


実 験 結 果

↓  ↓  ↓

杉山さんは最終的に次のような自白をしています。
私は四畳間側のガラス戸が寄せてあった押入れの柱の方にいて、二枚重なったガラス戸を両方から一枚ずつ外しにかかった。私が外そうとしても外れないので足で蹴飛ばしたら、上のガラスが二枚割れて落ちた。ガラスを割ってしまった頃、反対側(八畳間側)の桜井が先にガラス戸を外して、桜井は四畳間にそれを持ち込んで、横にして立てかけていた。そのあと桜井はそこを離れた。私のほうはまだ外れていなかった。ガラス戸が外れたとき手が離れて、その拍子にそのガラス戸は手前側(四畳間側)に倒れ、大きな音がした。倒れたガラス戸の下に扇風機があったことは、検事さんの調べで図面を見せられたときに初めてそこに扇風機があったことに気がついた。それで倒れたガラス戸が割れたのはそのためだったと思い出した。だからガラスが割れたのは、蹴ったときと倒して扇風機に当たったときの2回。
 要するに、「四畳間からガラス戸の下部を蹴ったら、上のガラスが2枚割れて四畳間のベニヤ板の上=ほぼ真下に落ちた」と言っているわけです。
 ところが、何度試しても、ガラス戸を蹴ってもガラスは割れませんでした。ではどうすると、ガラス戸が倒れる以前にガラスが割れて四畳間側のほぼ真下に落ちるのかと言うと、八畳間側からその下部に加えられた何らかの圧力によって面外変形が起き、上段二枚のガラスが割れて下に落ち、その後ガラス戸が倒れ、もう一枚が扇風機に当たって割れたというのが、実験から得られた結果です。何らかの圧力とは、下の写真のようなことです。

 
 下の3枚の現場検証添付写真を見ても、八畳間で相当激しい格闘・乱闘があったと思われ、上記自白のような偽装工作の結果とは、素人目にも思えませんよね。


写真左上=八畳間側から見たガラス戸の様子。
写真右上=勝手口付近から見た四畳間の様子。
写真左=八畳間の押入れの前、Tさんの死体の下の床下はVの字に落ち込んでいた。




今回はここまでです。自白の「体験供述性の欠如」について書きます。



最終的な自白に関する問題点 | 20:36 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 “畳間の床板の状態に関する説明部分
 昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分


今回は「“畳間の床板の状態に関する説明部分」を見てみます。

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“畳間の床板の状態に関する説明部分

八畳間の床落ちに関する最終的な自白は下記の通りです。
12月19日桜井自白
警察の調書では、Tさんの体の下の床が落ちていたのに気づいていたのが書いてありますが、それはそのことを聞かれて、あの時首を絞めながら自分の体が少し前に下がったような気がしたのを思い出したのです。
12月13日杉山自白
頭に来てしまった私はぶっ飛ばしてやろうと思い、いきなり右足でおやじの下っ腹めがけて一回蹴飛ばしたらあたっておやじがかがみ込み下向きになったところを、今度は昌司が横っ面をげんこで往復ビンタを喰わしたので--中略--それでおやじは倒れてしまい--中略--騒ぎ出したから--中略--腹の上に馬乗りになった私とは別に、昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえましたから、私は--中略--下着のようなものがあったのでそれをつかんでおやじの口の中へ押し込みました。--中略--(偽装工作で)今度は二人で敷布団なんかをおやじの上にかけました。そのとき私はおやじが死んでいる下の畳の頭の方が床が抜けてずり落ちているのに気付きました。それで私は、はじめに馬乗りになって昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえつけた頃、畳の下でバリンと音がしたから畳の裏板でも抜けたのかと思ったのを覚えています。
再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓



 Tさんの死体の下の八畳間押入れ前の床下は、左の検証調書添付写真のように、頂点が地面近くまでVの字に落ち込んでいました。どうしてこのような状態になったのか、真相を断定することは出来ませんが、「私は、はじめに馬乗りになって昌司がおやじの頭の方にまわって頭を押さえつけた頃、畳の下でバリンと音がしたから畳の裏板でも抜けたのかと思ったのを覚えています」という杉山自白のとおりならば、Tさんを転倒させた桜井も杉山も床落ちを体験しているはずであり、またその後、足をしばったり物色したり、床落ちした周辺を動き回っているのに、死体の工作で布団をかけるときまで床落ちに気付かなかったということ、上記自白の程度にしか床落ちについて供述がないのは不自然不合理である。

弁護団実験用に再現された被害者宅(写真・真理子)


最終的な自白に関する問題点 | 23:05 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ∋狢里旅作部分
 供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の二回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「∋狢里旅作部分」を見てみます。

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死体の工作に関する最終的な自白は下記の通りです。
12月19日桜井自白
自分はTさんの足を持ち、杉山は体の方を持ったけれども、持ち上がらなかったから布団をかぶせた。だからTさんの体を動かしたのは事実だが、体の向きまでは覚えていない。布団を掛けたのは事実だが、毛布を掛けたかどうかは覚えていない。
12月13日杉山自白
桜井が「寝てたようにしておくか」と言い出して、部屋に敷いてあった布団を取りに行って、毛布をTさんのすぐ脇にいた桜井にぶん投げてから、今度は二人で敷布団なんかをTさんの上にかけた。

↓弁護団実験用に再現された被害者宅(写真・真理子)


再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓

 本件自白によれば、桜井さん杉山さんがTさんの死体に布団を掛けるなどをしたのは、就寝中に誰かに襲われたと思わせるための偽装工作ということになっていますが、Tさんはシャツとズボンを着て靴下を履いていたし、ズボンのポケットにはゆであずき缶が入っていました。このような状態のTさんに布団をかけたところで、就寝中を襲われたように見せかける偽装工作になるとは思えないし、しかもTさんにかけられた敷布団は、Tさんの腰のあたりに無造作に置かれていたにすぎないとなれば尚更です。
 ただ変遷を繰り返した末の最終的な検察官調書では就寝中を襲われたように見せかける偽装工作となっているものの、初期の自白では、「Tさんに見られているよう気がしてイヤなので」「死んだ人間の顔を見ながら金を探すのがイヤだから」などを、Tさんに布団をかけた理由にしている部分もありますが、体の左側を下にして横向きに倒れていたTさんの顔を隠していたのは、右肩に背後からかけてあった白い開襟シャツであって、「Tさんに見られているよう気がしてイヤなので」「死んだ人間の顔を見ながら金を探すのがイヤだから」が、死体の工作の理由なら、白いシャツについての供述があってしかるべきであるのに、そうなっていないのは不自然と言うしかありません。
 また体にかけられた敷布団以外にも、Tさんの死体の周辺には、白いシャツやお菓子の入った缶や缶の蓋や蚊帳などがあるのに、敷布団以外について一切の供述がないのは不自然・不合理である。


今回はここまでです。次回は「供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 J色行為」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 03:24 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 J色行為部分
最終的な自白の、供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の三回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分 
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「J色行為部分」を見てみます。

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 物色行為に関する最終的な自白は下記のとおりです。
12月19日桜井自白
(板の間の玄関口に)大ロッカーが二つあって、どちらも取っ手をつかんで開けようとしましたが開かなかったので元の畳の部屋に戻りました。--中略--
机の引き出しから探し始め、袖の引き出しから開けて次々に見ましたが、ほとんど書類のようなものばかりで、真ん中の横幅の広い引き出しを開けたら茶色の皮のサイフがあって、開けたら何か足元に落ちた気がします。それがバラ銭ではなかったかとぼんやり覚えているのです。
そのサイフの脇あたりに5、6個紐でくくった鍵束を見つけたので、その鍵を持ってまず机の左手の二つ積み重ねた上のロッカーに鍵を一つ差し込んだら開かないので、二つ目の鍵を差し込んだらそれで開きました。中を見たらそこには金がなかったので、今度は下のロッカーを開けてみたら鍵なしですぐ開きました。上のロッカーには鍵は差し込んだまま扉は開けっ放しでした。--後略--
12月13日杉山自白
私は押入れのカーテンを右から左に開けたら中は二段になっていた。私は右側を探し、布団が重ねてあったが、それを引っ張り出さずに上から順にめくっていったら、下から二番目くらいの布団の間から、薄い新聞包みが出てきた。--後略--


再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓


杉山自白によれば杉山は、押入れの布団を引っ張り出さずにめくったなどとしているが、押入れ前の床下は、左の検証調書添付写真のように、頂点が地面近くまでVの字に落ち込んでいたから、その足元は相当不安定であるはずなのに、この点について何ら供述がないのは不自然である。ちなみに最終的な検察官調書ばかりでなく、警察官調書においても同様である。

(↓弁護団実験用に再現された被害者宅)


 また桜井自白によれば桜井は、八畳間に戻り、まず机の引き出しだけを物色し、真ん中の横幅の広い引き出しからサイフと鍵束を見つけ、財布を開けたとき何かを足元に落とし、その後、鍵束を持って上のロッカーを開けたとなっているが、八畳間の机の上には、茶色の二つ折り皮サイフ・包装紙に包んである石鹸・腕時計の空き箱・ルピアン石鹸の空き箱・東京石鹸の空き箱が、この順序に
下から積み重ねてあったから、仮に桜井が一度開けたサイフを机の上に置いたとしても、それだけではこのような状態にならないのに、この点について何の説明もないのは不自然・不合理である。これは、最終的な検察官調書にとどまらず、変遷を繰り返している警察官調書においても同様である。




今回はここまでです。次回は「供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ぅラス戸工作部分」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 03:11 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如 ぅラス戸工作部分
最終的な自白の、供述内容の不自然性及び体験供述性の欠如の4回目です。昨年9月に水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定書には、変遷を繰り返した末の最終的自白(検察官調書)には、真犯人であれば当然説明されてしかるべきことが説明されていないなど、不自然・不合理な点が多々存在するとして、具体的には以下の五つについて言及しています。

“畳間の床板の状態に関する説明部分 
∋狢里旅作部分 
J色行為部分
ぅラス戸工作部分 
ナ惱蠅旅作部分

 今回は「ぅラス戸工作部分」を見てみます。

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 ここで問題にするのは最終的な自白の次の部分です。
12月13日杉山自白
桜井が泥棒でも入ったように見せかけるため、ガラス戸を外しにかかった。
12月22日杉山自白
倒れたガラス戸の下に扇風機があったことは、検事さんの調べで図面を見せられたときに初めてそこに扇風機があったことに気がついた。それで倒れたガラス戸が割れたのはそのためだったと思い出した。
12月22日桜井自白
自分が八畳間側のガラス戸を外す前、反対側の外側のガラス戸のほうの杉山が、ガラス戸の下の方を蹴った。

再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓
↓八畳間から撮った写真

最終的な自白によれば、ガラス戸を外しにかかったのは、誰かが入ったように見せかけるためとなっているが、ガラス戸を外すことが偽装工作の合理的理由とは言えない。自白調書をくわしく見ると、ガラス戸を外したときのことを細部まで記憶しているほど二人は冷静だったから、なおさらこのような行動に出た不自然さは免れない。
 また自白によれば、桜井は八畳間側からガラス戸を外しにかかっているが、八畳間の押入れの前は左下の検証調書添付写真のようにVの字に落ち込んでいたから、足元は相当不安定なはずなのに、このことについて何も供述がないのは、自分の体験を語っているとは到底思えない不自然なものである。
 さらに杉山自白によれば杉山は、ガラス戸を外すとき扇風機に気付かなかったとしているが、その倒れていた位置や状態から、この扇風機は四畳間側ベニヤ板の上にあったと思われるのに、四畳間側からガラス戸を蹴ったり外したりする際に、この扇風機に気付かなかったというのは、体験供述としては不自然不合理である。
弁護団実験用に再現された被害者宅↓(写真・真理子)


最終的な自白に関する問題点 | 08:27 comments(0) | trackbacks(0) |メールはこちら
桜井自白・杉山自白の供述内容の不一致
 今回は最終的な自白の、バー「J」の関係者の供述との不一致について書く予定でいましたが、予定を変更して、最終的な自白の、桜井自白・杉山自白の供述内容の不一致について書くことにします。 
 
 1967(昭和42)年8月30日にTさん殺しの他殺体が発見され、桜井さんが別件逮捕されたのが10月10日です。Tさん殺しを否認していた桜井さんが「杉山と一緒にTさんを殺した」と取手署で自白したのが10月15日です。この自白を元に10月16日に杉山さんが逮捕され、翌17日には杉山さんも水海道署でTさん殺しの自白を始めます。
 カテゴリー「自白の変遷」でも書いたように、二人の自白はとても共犯者とは思えない食い違いがあって、変遷を繰り返した末の最終的な自白(検察官調書)においても、食い違ったままに終わっている点が多々あります。ここで少し具体的に見てみます。

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Tさんの転倒状況・殺害方法に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
八畳間の押入れの前で杉山が「うるせえこのやろう」と言いながら、Tさんの顔か胸のあたりをなぐったら、Tさんはよろよろと後ろにドスンと倒れながら、「何すんだ」と怒鳴って杉山にむしゃぶりつてきた。それを見た瞬間、私はTさんの足をつかんで仰向けにひっくり返し、倒すと同時に杉山がTさんの上に馬乗りになった。
杉山検察官調書
自分がまずTさんの下っ腹を蹴飛ばして、桜井が顔をなぐった。

死体の工作に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
自分はTさんの足を持ち、杉山は体の方を持ったけれども、持ち上がらなかったから布団をかぶせた。
杉山検察官調書
 君と桜井の二人でおやじの体を持ち上げ運ぼうとしたか。
 していません。

桜井の物色行為に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
金を探そうと思って、まず板の間の玄関口のロッカーに行った。大ロッカーが二つあったが、両方とも開かなかったので畳の部屋に戻った。そのとき杉山は押入れの前にかがんで何か探していた。自分は机の引き出しを探し出した。
杉山検察官調書
桜井が部屋の中をガタガタ探し始め、私も探し始めて15分から20分くらいで、私が新聞包みの札入れを見つけ、「早くしろ」と桜井に声を掛けた。

桜井の強取金額に関する二人の自白の不一致
桜井検察官調書
逃げる途中の列車内、湖北駅あたりで、杉山から4万円分けてもらったとき、私は自分が盗った金を杉山に見せていない。
杉山検察官調書
逃げる途中、湖北駅あたりの列車の中で、桜井に金を渡す際、桜井が見せたのは2万円だと言ったのは、自分にはそう見えたから。桜井が7千円だと言ってるなら、自分には分からないからそれ以上のことは言えない。


まだまだありますが、ここではこれくらいにしておきます。

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この問題に関する
再審開始決定書(水戸地裁土浦支部)の判断
↓ ↓ ↓

 以上のような供述の不一致の理由として、共犯者同士での責任転嫁や、自分以外の共犯者の行動であるため、記憶に残りにくいということが考えられるが、それにしても本件二人の自白には不一致部分があまりに多い。最終的な自白内容にいたるまでには、二人の間で供述の歩み寄りが図られたにもかかわらず(過去記事「自白の変遷」参照)、最終的自白にも不一致が多数残るということは、その自白の信用性に疑問を投げかけるものであり、ひいては、実際には共同で体験していないことを供述しているのではないかとの疑問すら生じかねない。




 今回はここまでです。次回は、自白に対する「客観的な裏付け証拠の不存在」について書きます。


最終的な自白に関する問題点 | 06:20 comments(0) | trackbacks(1) |メールはこちら